不妊症の原因
- そして男性と女性の両方に不妊の原因があったり
- もしくは男性と女性の相性が悪い
- またいくら調べても不妊の原因が不明というものが25%もあるのです。
つまり不妊症の原因をつきとめて治療を受けようという場合は
- 女性だけが診察を受けるのでは無く
- 夫婦の共同作業で行なう事が理想です
妊娠しにくい場合には必ず男性と女性が協力して不妊治療に当たりましょう。
その結果不妊症の原因がどこにあったとしても、夫婦のきずなを強くもって専門医と協力して妊娠に向かって努力する事が大切となります。
- 子宮筋腫・・・子宮筋腫は子宮の筋層の中にできる良性の腫瘍で、筋肉でできたこぶのようなものです。子宮筋腫の代表的な症状は、月経の量が多い、生理痛が強い、赤ちゃんができにくいなどの不妊原因になります。
- 子宮腺筋症・・・子宮腺筋症は宮の内側の膜にある腺組織が本来あるべきではない子宮の筋層の中にあることによって起こる病気です。月経のたびに出血しますが、出ていくところがないので溜まってしまいます。月経痛が強いのが特徴です。
- 子宮の形成異常・・・子宮の形成異常は多く見られます。子宮の形成異常があるからといって不妊症に直結するわけではありません。子宮は左右のミュラー管が癒合してできますが、これがうまくいかず子宮が2つあるような場合には一つひとつの子宮が小さくなり、妊娠しても子宮が胎児の大きさに見合った大きさになれず流産し不妊原因に繋がることがあります。
- 子宮内膜ポリープ・・・子宮内膜ポリープは子宮の内側にできる良性の腫瘍です。不妊症の方によく見つかります。子宮鏡や経腟超音波で発見されます。
- 子宮内膜の癒着・・・子宮内膜の癒着は何回も掻破手術を受けられた場合や、お産や流産の後に子宮の内側が癒着してしまうことがあります。
子宮内膜とは月経のあと、卵巣から分泌される女性ホルモンの作用でだんだん分厚くなります。月経が始まって約28日経つと、妊娠しない限りまた次の月経が始まって、子宮内膜は出血と一緒に子宮の入り口から流れ出てしまいます。
- この子宮内膜が子宮の内側以外のところにある状態を子宮内膜症と呼びます。
- 子宮内膜は、出血が出てゆく場所がありません。
ですからその場所にどんどん出血がたまります。出血がたまると生理痛や炎症が起こり、癒着を起こしたり、受精しにくくなったりします。
子宮内膜症がよく起こる場所は卵巣、卵管、子宮と直腸の間のダグラス窩と呼ばれるくぼみ、卵巣の裏側の腹膜などです。
- 妊娠するのに重要な臓器、または近くですので、癒着が起こると不妊症の原因になってしまいます。
- 子宮頚管は子宮の入口にあり、膣と子宮の内側をつなぐ細い管です。
- 排卵の前になると管の中の粘液の量が増え、さらには粘性が下がり精子が子宮、卵管へ入りやすくなります。
しかし、排卵の前に子宮頚管の粘液の量が増えないと精子は子宮に入っていけなくなります。
また、精子と子宮頚管粘液の適合性が悪いときも精子が子宮の中に入れないので不妊に繋がります。
さらに抗精子抗体といって精子を殺してしまう抗体が女性の体の中にある時にも起こります。
子宮頚管に炎症がある場合は精子はうまく子宮の内側に昇っていけません。
- 子宮頚管炎は一般細菌などで起こることもありますが、最近もっとも問題になっているのがクラミジアという特殊な細菌によるものです。
- クラミジアによる子宮頚管炎は、最初は症状がほとんど出ないのが特徴で発見が遅れます。
- 男性の尿道にも感染し尿道炎を引き起こしますがこれもほとんど症状がありません。
- 膣炎にかかると、おりものが多かったり、かゆみがあるなどの症状が出ることが多いようです。
- 膣炎の原因でもっとも多いのがカンジダと呼ばれる真菌によるものです。
- カンジダによる膣炎だけで不妊症になることはないのですが、やはり妊娠しようというときには膣も清潔にしておいた方がよいでしょう。
- また、トリコモナスという原虫もあげられます。
- トリコモナス膣炎にかかると、いても立ってもいられないほどのかゆみと黄色い多量のおりものがあります。
- おりものの顕微鏡検査で簡単に診断がつきます。
- 治療には膣錠と内服薬がありいずれもよく効きますが、男性も同時に治療を受けましょう。
子宮頚管に炎症があると精子にとっては居心地が非常に悪くなります。
これでは精子のスタートからゴールまでの道が障害だらけになり、不妊症の原因にもなります。
- 卵管炎、骨盤腹膜炎・・・細菌やクラミジアによる感染が子宮頚管にとどまっている間は薬で完治できますが、感染が卵管に及ぶと重大です。
卵管の内側の細胞には繊毛があり、これが運動して卵子を子宮に運びます、卵管に感染が起こるとこの繊毛が破壊され、また、卵管の出口に感染が及ぶと卵管の出口が癒着して閉じてしまいます。
さらにお腹の中まで感染が広がると卵管や卵巣、子宮や腸に炎症が起こります。
治療後にも広範囲な癒着を引き起こし、排卵した卵子を卵管が取り込んで子宮に運べなくなり不妊症になってしまいます。
- 卵管の閉塞・・・以前に卵管の炎症を起こしたことがあったり、あるいは盲腸の時に腹膜炎を併発したことがある方は、卵管がつまったり、卵管、卵巣、子宮、腸などが癒着してしまっていることがあります。卵管が完全につまっている場合には子宮卵管造影でわかることもあります。
しかし、子宮卵管造影だけではお腹の中の癒着の様子まではわかりませんし、子宮卵管造影に異常が無くてもお腹の中は癒着していることもよくあります。
その場合は当然ですが妊娠はしずらく治療が必要です。腹腔鏡検査をすれば、卵管やお腹の中の様子はハッキリわかります。
- ちゃんと排卵しているかどうかはどうすればわかるのでしょうか。
- もっとも簡単な方法は基礎体温を測ることです。
- 基礎体温がはっきりしないときや、黄体が十分に働いているかどうかわからないときは、血液の中のプロゲステロンをはかる方法も排卵を知るための方法です。
- 一番確実に排卵を知る方法は、排卵の前後に卵胞を超音波で診察して排卵を観察することです。
- 排卵すると卵胞の中に出血しますから超音波Bスコープで診ると排卵したかどうかが確実にわかります。
- 視床下部の異常・・・視床下部からホルモンの指令が出て女性の月経周期をコントロールしています。これがうまくいかなくなると排卵も乱れ、視床下部は体調、精神状態、栄養状態などのいろいろな異常の影響を受けます。
- 女性の体はデリケートですから、ストレスの多い現代社会ではさまざまなきっかけで視床下部の調子が悪くなり、排卵もうまくいかなくなることが多く不妊症の原因になります。
- 脳下垂体の異常・・・脳下垂体も卵巣を刺激するホルモンを分泌しますが、ここに異常があるとホルモンが分泌されなくなり、卵巣で卵胞が成熟しないため排卵しなくなり不妊症になります。
- 多嚢胞卵巣・・・卵胞がまだ小さい内に卵胞の成長が止まってしまい、また卵巣の表面の膜も分厚くなって排卵しなくなることがあります。
- こういった場合、卵巣には成長の停止した卵胞がたくさんあり、あたかもたくさんの嚢胞があるように見えるので多嚢胞卵巣と呼ばれます。
- ホルモンの異常によって起こると考えられていますが、はっきりした原因はわかっていません。
- 男性ホルモンが増えて毛が濃くなったり声が太くなったりすることもあります。
- LHやFSHその他のホルモンの分泌状態を測定診断、超音波検査または腹腔鏡検査を行えば卵巣の膜が白く分厚くなっていて、その中にたくさんの成長の止まった卵胞があるのが見えます。
- 早期卵巣機能低下症・・・更年期を迎えると卵巣の機能が低下して排卵が起こらなくなり、エストロゲンやプロゲステロンの分泌も低下します。
- しかし若い方でも卵巣の機能が働かなくなって排卵が起こらなくなる場合があります。
- 卵巣の機能が低下すると脳下垂体からはたくさんのホルモンがでて、何とか卵巣がうまく働くように刺激します。結果、血中濃度は正常に比べて非常に高値になります。
- どうして若い方の卵巣が働かなくなるようになるのかはわかっていませんが、卵巣自体の機能が悪くなる排卵障害は、もっとも治療の困難な排卵障害といえます。
- 黄体機能不全・・・排卵した後、卵巣では黄体ができてエストロゲンとプロゲステロンが分泌されますが、この黄体が十分働かないと子宮内膜が受精卵を受け入れる状態にならず、妊娠できなくなってしまい不妊症になります。
- 黄体化非破裂卵胞・・・排卵の前には卵胞が成長して直径約2cmになります。
- 卵胞がこれくらいの大きさになると下垂体からLHというホルモンが多量に分泌され、排卵します。
- 排卵の際、卵胞が破裂します。ところがうまく働かないと卵胞が破裂しないまま黄体になってしまいます。
- こうなると、黄体ホルモンは分泌されるので基礎体温は高温になりますが、卵子は卵巣に閉じこめられたままになりますので妊娠はできず不妊症になります。
- 高プロラクチン血症・・・プロラクチンは脳下垂体から分泌され、妊娠中や分娩後に高くなり母乳を分泌させる働きをもつホルモンです。高プロラクチンは排卵障害を起こしてしまいます。
- プロラクチンが高くなる原因としては下垂体の異常による場合が多く、時に下垂体に腫瘍ができていることもありますので、脳外科を受診したほうがよいでしょう。
- それ以外にも甲状腺の機能が低下や、精神安定剤や胃潰瘍の薬による症状も考えられます。
- 甲状腺機能異常・・・甲状腺機能が低下すると排卵が起こりにくくなります。甲状腺ホルモンは体全体の代謝をコントロールしている重要なホルモンですので。
- 不妊症の方は一度は甲状腺ホルモンの検査を受けましょう。
- 体の中に異物が入るとリンパ球の働きでその物質だけに結合する抗体が作られ、これがその異物を排除するのに大切な役割を果たしています。
- しかし、自分に必要なものに対しても間違って抗体を作ってしまうことがあります。
- 抗精子抗体とはこうした抗体の一つで、精子の表面に結合して精子を動かなくしてしまいます。
- この抗体があるかどうかは血液検査で調べることができます。
- 不妊というと女性に原因があると考えられる方も多いようですが、不妊は決して女性だけに原因のすべてがあるものではありません。
- 不妊症の原因の約48%は男性側あります。
- 精子が作られない・・・精子は精巣で作られますが、これがうまくいかないと不妊症になります。
- 残念ながら原因不明の場合が多いのですが、ホルモンのバランス異常によって起こることもあります。
- 男性は脳下垂体からホルモン分泌され、精巣で毎日数億匹の精子が作られます。
- もし、視床下部か脳下垂体に異常があってホルモン分泌されないと精巣は萎縮し、精子は作られずその男性は不妊症になってしまいます。
- また、精子が作られない原因が先天的な異常による場合や生殖器に感染が起こって不妊になることやストレスや疲労などによる悪影響も受けます。
- クラミジアや淋菌の感染による不妊症の場合は、病原菌を退治すれば不妊も治すことができます。
- 検査をしてもどこにも異常がないのに赤ちゃんができない不妊症の方もたくさんいらっしゃいます。
- 体の構造はとても複雑です。現代医学でも解明されない症例や原因は沢山あるのが現実です。
- 原因がわからない!長い間妊娠しない!不妊症という方は、体外受精を試してみると良いでしょう。
- 妊娠の可能性が期待できるのはもちろんのこと、精子と卵子がちゃんと受精しているのかどうかを確認することもできます。
現代ではもっとも画期的な妊娠療法の代表的な一つになります。
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