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「手続きNET」のミキです。今回、「八十八夜」について皆さんにご紹介しようと思います。
八十八夜の意味と由来 八十八夜は何を行う?と考えてるアナタ。必見ですよ!
そうではない人も、お友達や知り合いの方に紹介するにも、是非参考になさってくださいね。
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毎年5月にやってくる八十八夜の意味と由来について
立春から数えて88日目を八十八夜と呼びます。
一般的には5月2日が八十八夜にあたることが多いのですが、閏年には5月1日が八十八夜になります。
また、数十年に一度は立春の変動によって5月3日が八十八夜になることになります。
この八十八夜の意味と由来について考えると、もともとは農作業に従事する人たちの注意を喚起するために作られた雑節だと言うことができます。
八十八夜から3日経てば暦の上では立夏を迎えることになりますが、春から夏への境目の時期で、暑くもなく寒くもない安定した気候が続く季節にあたります。
なので、まさに農作物の種まきには最良の時期なのですが、昔からこの時期に季節外れの遅霜が発生することが度々あり、それまで大切に育ててきた農作物が台無しにされてしまうことがありました。
霜による被害を避けるためには、畑に藁をひいて農作物を守ってやる必要があるのですが、その作業を行う時期の目安として八十八夜という雑節が作られるようになったと伝えられています。
八十八夜という雑節の存在を確認できる文書の最も古い物は、1656年に伊勢神宮で刊行された伊勢暦です。その中に八十八夜という記載があるのですが、日本の暦の暦日として正式に採用されたのは1686年のことになります。
当時の農民や幕府にとって、いかに遅霜による被害の影響が大きかったのかを推察することができる事実です。 暦日に際しては、何か特別な行事が催されるようになっているのが普通ですが、この八十八夜は何を行う?
という点について考えると、一般的には茶摘みを連想する人が多いです。
日本人であれば誰もが知っている有名な文部省唱歌「茶摘み」の影響で、八十八夜は茶摘みを行う日だと思い込んでいる人が多いですが、実際には産地によって収穫時期が変わってきますので、必ずしも八十八夜に茶摘みが行われるわけではありません。
ただし、この日に摘んだ茶は昔から上級品として珍重されてきましたし、絣の着物にたすき掛けという茶摘み衣装で行う茶摘み風景は、初夏の訪れを告げる季節の風物詩として多くの日本人に親しまれてきました。
また、八十八は末広がりの縁起のいい数字であるために、夏支度を始める吉日としても親しまれています。とても気候のいい時期ですから、衣替えや寝具の交換などには最適ですし、もうじき訪れる梅雨対策をするには絶好の雑節だと言われています。
現代では、農業に従事している人の数は少なくなっていますが、八十八夜は日常生活を夏仕様に切り替える重要な節目としての機能を果たしています。
一方、八十八という字を重ねると「米」という漢字になることから、農家にとっては特別な意味を持つ日であるとされることが多く、この日に豊作を願う神事が行われている地域もあります。