離婚において一番多く論争されるのが以下の問題です。まず、あなたが重要視している問題は何ですか?
- 財産分与についての問題
- 親権についての問題
- 面接交渉についての問題
- 慰謝料についての問題
- 養育費についての問題
<財産分与について>
財産分与は慰謝料とは別です、慰謝料を払う当事者になった側であっても、当然請求する権利がありますし、もしも、妻が浮気をして慰謝料を支払う場合に、財産分与で相殺されるケースもありますが、本来は、財産分与と慰謝料は別々に考えます。
また、現夫婦での合意が必要です。
- 慰謝料をめぐる問題も多くありますので、財産分与の部分は明確にし、必ず公正証書や調停証書に、慰謝料は、どのようにしていくのか?別々の金額であるのかどうか?を必ず明記しておきましょう。
・対象となる財産
- 現金・預貯金
- 有価証券・投資信託
- 不動産(土地・建物)
- 動産(車・家具等)
- 美術品
- 会員権(ゴルフ等)
- 退職金・退職年金
- 生命保険
- 債務(借金)
・対象とならない財産
- 結婚前から各自お互いが所有していた財産
- 結婚時に実家から与えられた財産分
- 親より相続した、または贈与を受けた財産分
- 日常生活の上で夫婦のいずれかが単独で使用していた服、アクセサリーなど
<親権についての問題>
夫婦は他人でも子供は血縁関係を持つ肉親になります。それ故に親権問題は揉めに揉めてしまう事が多分にあります。
したがって親権を持つためにクリアしなければいけない事柄があります。
- まず、心身の状態、生活態度、住居、家庭環境、教育環境、子供に対する愛情の度合い、子供に接する時間、再婚の可能性、離婚の原因、育児を手伝ってくれる人の有無、経済状況などです。
- また、逆に子供側からの状況も判断されます。例えば、年齢・性別・心身の発育状況、従来の環境への適応状況、環境の変化への適応性、父母との結びつきの強さ、子供の意向などです。
・子供の年齢と親権関係
- 0歳〜10歳 → まだまだ、スキンシップが必要な歳です。母親が親権者のケースが多い。
- 10歳〜15歳 → 発育状況によって、子供の意思を尊重する事も多いです。
- 15歳〜20歳 → 年齢的に子供が判断できる場合は、子供の意思を尊重する場合が多いです。
「親権」は、子どもの身の回りの世話や教育をする「身上監護権」、子どもの財産を管理する「財産管理権」からなりたっています。
- 離婚する場合、「身上監護権」の部分を親権から切り離して考えられます。
したがって
- 親権者である親が仕事で忙しく、子どもの世話や、教育など、片方の親が行う方が子どもにとっていい場合は、その親が監護者として認められ、子どもが成人するまで、生活することができます。
- ※監護者は、協議離婚の場合は必ず公正証書を作成するか、念書を作成しておく事が必要です。
また、離婚後でも、監護者の指定を求めることができます。
夫婦間で話し合いが揉めた場合は、家庭裁判所に監護者指定の調停を申し立てることもできます。
<面接交渉についての問題>
親権も決定し離婚成立後、親権者または監護者になれなかった親が、子どもと接触する権利を面接交渉権を獲得するといいます。
- 面接交渉権は、一般的に夫婦同士が話し合って決めることが多いですが、親子の接触の内容が一致せずに話し合いが揉める場合は、家庭裁判所に調停の申し立てをする事になります。
- 裁判所は、様々な親子の関係を加味した上で、面接交渉権を認め、面接の方法や回数など、具体的な内容を取り決めの決定を行ないます。
- (具体的な内容はいつ、どこで、どのように、どれくらい会うかを決めていきます)
※夫婦同士で取り決めた場合は必ず公正証書を作成するか、念書を作成しておく事が必要です。
<慰謝料についての問題>
慰謝料とは、今までの結婚生活の中で一方が受けた精神的ダメージや苦痛、苦悩を少しでも緩和するためにもう夫から妻へ、妻から夫へ支払うべき金銭のことを言います。
- ※ココがポイントですが、慰謝料はあくまでも夫から妻へ支払われるものと!考えていませんか。
- 慰謝料は当然ですが、妻から夫へ支払われるケースも多くあります。
・慰謝料が認められる
- 相手の不倫が発覚
- 暴力を振るう場合
- 生活費を渡さない場合
- 一方的な離婚宣告を受けた場合
・慰謝料が認められない
- 離婚原因が二人にある場合
- 相手に責任がない場合
- 性格の不一致
- 信仰上の対立した場合
また、第三者への慰謝料請求をする事もできます。
- 具体的には配偶者の親族へ過度の干渉をした場合や再婚相手の親族が連れ子をDV(虐待)した場合など
- または不倫相手が相手が既婚者であることを認識しながら性的交渉をもつなどの配偶者の人格権を侵害した場合などはこれにあたります。
慰謝料請求に必要な物があります。
- 医師の診断書等(DVなどを受けた場合)
- 日記 (具体的な日々の出来事)
- 証拠となる写真(浮気現場や浮気相手の写真や映像など)
<養育費についての問題>
夫婦の離婚原因に関わらず、養育費は子供のために支払わなければなりません。
離婚の原因によっては、養育費の支払いに前向きになりにくいケースがあるとは思いますが「養育費は子供が受け取る権利」と考えて、支払うようにしましょう。
- 養育費を払うのは親の義務であり、月々または一年ごとに養育費を支払う義務があります。
- 自分の生活が維持できるかぎり養育費は払わなければならないのは当然の事です。
養育費は、慰謝料や財産分与とは別に算出されます。
- もし、あなたが子どもを引き取った側なら、親権者としてあるいは監護者として、未成年の子どもに代わって、親への養育費を請求しましょう。
養育費の決め事として、今現在の養育費用や今後の小中高などに必要となるかかる費用などです。
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一般的に、子供一人当たりの養育費は月に3万円から6万円位が多いようですが、皆様の置かれた事情はそれぞれ異なります。
また、夫婦間での話し合いが揉めた場合は調停に申し立てる事ができます。
※夫婦同士で取り決めた場合は必ず公正証書を作成するか、念書を作成しておく事が必要です。
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<年金分割>
平成19年4月から、「離婚時の年金分割」がはじまりました。
- 協議離婚で年金を分割する割合を合意している場合は、公正証書又は公証人に認証を受けた合意文書(公証人による私署証書の認証)を作成します。
- 夫婦間で分割割合等で合意できない場合は、調停、裁判になります。
- 夫婦が平成19年4月以降離婚した場合、夫婦の婚姻期間中の厚生年金の合計の2分の1を上限として分割できるのが離婚時の年金分割です。
- 平成19年3月以前の婚姻期間も対象となります。
※平成20年4月以降の婚姻期間は、夫婦間の合意がなくても一方からの請求によって、自動的に夫婦の年金は2分の1に分割されます。
※公正証書とは
離婚をする場合、お金のことや子供のことなど、決めておくべきことは沢山ありますし口約束だけでは必ず後から言った言わないと口論になり結果何も残らずと言う事になりまねません。
- そこで、離婚後の生活を安定させるため、お金や子供に関する約束事は、公正証書という公の文書にしておくことが重要です。
- 公正証書には、法的な拘束力を持っている重要なものです。公正証書の文面作成、公証人との打合せ、公証役場での手続きで作成することができます。
- この公正証書は私人同士が作成する書類よりも証明力が高く、裁判抜きに公正証書に基づいて強制執行が可能です。
- なお、公正証書は公証役場でも保管されるため書類紛失のおそれがありません。
離婚の場合にはできる限り公正証書を作成しておくことをお勧め致します。
<チェックポイント>
離婚の流れとしまして、話し合いから始めます。
- 話し合いで解決し修復できるのであれば、子供がいる夫婦、家庭にとっては一番望ましいと考えます。
- 夫婦の喧嘩や問題は、子供には罪はまったく無く、ましてまき沿いを被っている一番の被害者となります。
- まずは、冷静になり話し合いは前向きに望んでいく姿勢が必要となります。
協議離婚
離婚の種類として協議離婚があります。
- 最も簡単な離婚方法です。離婚届に親権者を記入し夫婦2名と成人の証人2名が署名し、押印した書類を提出すれば成立します。
また、口頭での約束も可能ですが、トラブル防止や証拠を残しておくためにも必ず書類に残しておきましょう。詳しくは離婚届書き方や離婚協議書についてをご覧ください。
なお、離婚時の取り決めを公正証書にすることはとても重要です。当事者間の話し合いで決めた金銭支払の条件に調停や訴訟を提起して解決した場合と同様の効力を持たせます。
離婚調停
- 夫婦間での離婚の話し合いが揉めた場合や同意が得られない場合は調停申立てを行います。
- 調停は、原則相手方の所在地の家庭裁判所に申立てをしなければなりません。
- また、調停は申立て後1ヶ月〜1ヵ月半の間に第一期日が入り、相手方を呼び出します。
- 調停委員を介した話し合いの結果、夫婦双方が合意すると、その旨を調停調書にし、離婚が成立します。
詳しくは離婚調停についてをご覧ください。
離婚裁判
調停で離婚が成立しない場合など、通常は家庭裁判所に離婚訴訟を起こすことになります。
- 調停の場合は相手方の所在地の家庭裁判所が管轄となりますが、離婚訴訟は夫婦それぞれが現在住んでいる地域の家庭裁判所が管轄になります。
- なお、離婚訴訟を起こすときは、調停が不調となった旨の証明書を添付する必要があります。詳しくは離婚裁判についてをご覧ください。
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